1. 下川研の紹介
このページは九州産業大学 理工学部 情報科学科 3年生向けの研究室紹介を主な目的としています。
2. 下川研に来て欲しい人
- IT系エンジニアを目指す人
- プログラミングが好きな人 (今、得意でなくても良いです)
3. 卒業研究に対する担当教員(下川)の思い
卒業研究は、学生生活のメインイベントだと考えています。
卒業研究に取り組むまでの3年間で学んだことを活かして、成果をまとめるのが卒業研究です。
自信を持って卒業し、社会に旅立ってほしいと考えています。
したがって、下川研の卒業研究は必ずしも楽ではありません。
多くの卒業生が、口を揃えて「大変だった」と語っています。
しかし、同時に多くの卒業生が「良い経験が出来た。社会に出て役に立った。」とも言ってくれています。
そういう卒業研究に取り組んでみたい人は、ぜひ、下川研への配属希望を出してください。
待っています。
4. 情報科学演習
3年生の演習では前期と後期それぞれ以下のような内容に取り組みます。
4.1 情報科学演習I
3年生前期は、卒業研究に備えて、
プログラミングの復習や必要なソフトウェアを使う練習をします。
プログラミングの演習としては、主に Java を使って、これまでに勉強してきた内容の復習をします。
現時点でプログラミングが得意である必要はありません。
ただし、自らプログラミングを習得しようという意欲は必要です。
下川研では以下のようなソフトウェア/ツールを利用していきます。
- Linux
- Git
- GitHub
- LaTeX
どれも決して特別なものではありません。
Git と GitHub は、2年生後期のクラウドプログラミング演習を受講した人は使ったことがあるかもしれません。
使ったことがなくても聞いたことがある人も少なくないでしょう。
LaTeX は聞いたことない人のほうが多いかもしれません。
最初は苦労する人も居ます。
ただ、将来 IT系で仕事をする場合、新しいツールを使い始めることは少なくないですよ。
4.2 情報科学演習II
情報科学演習II (3年後期)は、うってかわって卒業研究とは直接の関係が薄いことに取り組みます。
具体的には、理工学部と芸術学部との連携事業である
テクノアートプロジェクト
に参加します。
このプロジェクトでは、理工学部と芸術学部の学生でチームを組み IT を用いた作品の制作に取り組みます。
他学部の学生との共同作業は大変ですが、とても有意義なものです。
完成した作品は福岡市科学館で展示(2023年度、2024年度、2025年度)しました。
ここで制作したものが卒業研究に直接つながることは、ほとんどありません。
しかし、この共同作業の経験は、卒業研究だけではなく、様々な場面で役に立ちます。
5. 情報科学演習以外
下川研では、様々な学内外との連携も実施しています。
5.1 enPiT-Security (Basic SecCap)
enPiT (エンピット)とは、高度IT人材の育成を目指す産学協働の実践教育プログラムです。
4つの分野を対象としており、セキュリティ分野では 14の大学が連携して Basic SecCap を立ち上げています。
Basic SecCap には情報科学科の学生は誰でも参加可能ですが、
演習時間の関係などから、従来、下川研と石田俊一研の学生が中心になって参加しています。
5.2 QTnet とのローカル5G共同研究
九産大は、QTnet と ローカル5G の共同研究を実施しています。
下川研は、この共同研究でも九産大側の取りまとめを担当しています。
これまでに、ユースケースに関する発表をしました。
5.3 NTTコミュニケーションズとの共同研究
下川研は、NTTコミュニケーションズと、広域負荷分散に関する共同研究に取り組んでいます。
今年度も、修士研究・卒業研究を通して研究を推進していきます。
5.4 ヒューマンロボティックス研究センター
下川研は ヒューマンロボティックス研究センター(HRRC) の活動にも参加しています。
この中で、機械工学科・芸術学部や近隣の病院とも連携して、
電動ストレッチャー・バランス維持訓練アプリなどの開発に取り組んでいます。
5.5 QUNOG
QUNOGとは、九州・沖縄のネットワーク技術者のコミュニティーです。
インターネットを実際に構築・運用している技術者のコミュニティにも積極的に参加し、
現役エンジニアや他大学の学生とも交流しています。
5.6 イベントネットワークの構築・運用
長崎県立大学 岡田研究室や、
福岡女子大学 神屋研究室とも協力して、
Team BAKUCHIKU の活動に参加しています。
2024年度は、
JANOG54、
JANOG55、
CEDEC+KYUSHU 2024
の来場者用ネットワーク構築・運用に参加しました。
6. 卒業研究
情報科学科では、基本的に情報科学演習を受講した研究室で卒業研究に取り組むことになります。
6.1 下川研の主な研究テーマ
主な研究テーマは以下の3つです。
- インターネット・インフラ技術
- 教育支援技術
- ITによる人間支援技術
6.2 卒業研究のテーマ
以下に、過去5年間の下川研での卒業論文のテーマを掲載しています。
実際の論文は、 情報科学部学部学生用Webサーバトップの「学位論文等検索ホームページ」から閲覧できます。
ただし、学外からこのサイトにアクセスするためには KIND VPN の利用が必要です。
R6 年度
- ECS によるフルリゾルバのパフォーマンスに与える影響の調査と解決策の評価
- 無線LAN 環境における品質測定とデータの分析
- ECS 非対応環境でのIP Geolocationを用いたリクエストナビゲーションシステムの開発
- 実測データを用いた地域別のインターネットにおける通信速度の調査と分析
- 演習支援システム「サポちゃん」の利便性向上のための機能の開発
- リハビリ支援システム「バランス君」の改良~多様な重心運動とリハビリ進捗の客観的評価~
- 意欲的な運動を支援するアプリ「HOTARU」の開発
- 陸上競技における区間速度測定システム「ダッシュマン」の開発
- タスク管理アプリ「TasKurasu」の開発
- チューナーアプリ「PitchNavi」の開発
- 修士・卒業論文キーワード検索システム「TheKSS」の開発
- 就職活動支援システム「サーチ500」の開発
R5 年度
- 視線分析に基づくFPSの熟練者と初心者のプレイの比較
- 小テスト結果を利用した受講生学習支援システムの開発
- リハビリ支援システム「バランス君」の改良〜前後重心運動トレーニングと設定保存機能の追加〜
- 電動ストレッチャー利用者に周囲の情報を伝えるシステムの開発 (優秀卒業研究賞)
- サーバ選択機構における選択ポリシーの実装と性能評価
- 位置情報付きSNS投稿を利用した地図アプリケーションの開発 (優秀卒業研究賞)
- 球速測定システム「スピードバンド2023」の開発〜投手選択機能の開発
R4 年度
- 受講生の演習状況の詳細を把握するシステムの開発 (優秀卒業研究賞)
- 座学講義における質問支援システムの開発
- スマートウォッチを用いた競技者支援アプリの開発
- リハビリ支援アプリ「バランス君」における重心軌跡表示機能の開発
- ファミリーレストランにおける予約案内システムの開発
- 電子メールからのスケジュール情報抽出・カレンダー登録システムの開発
- SRv6におけるトラフィック制御方法の提案と評価
R3 年度
- 複数のクラウドを利用したコンテナ動的分散配置システムの開発
- Windowsのリモートデスクトップのパフォーマンス調査
- 講義中の学生と教員の質疑・応答を補助するシステムの開発
- SRv6を用いるネットワーク状況に応じたトラフィック制御の提案と評価
- 重心移動を対象としたバランス維持訓練アプリケーションの改良~訓練ゲームの改良~
- 学生の過去の演習状況を可視化できる演習状況把握システムの開発
- スマートウォッチを用いた球速測定システム「スピードバンド」の開発 (優秀卒業研究賞)
- 室内環境可視化システムの開発
- 研究室内における備品管理システムの開発
R2 年度
- Webアプリケーション開発環境構築システムWAVESの設計と実装
- 大人数で実習可能な経路制御実習システムの開発
- サーバの可用性を高めるためのサーバ監視とサーバ性能評価
- 学生と教員の質疑応答を支援するシステムの開発
- 思考ルーチン開発を通したプログラミング学習支援ウェブアプリケーションシステムKGPCの開発
- 重心移動を対象としたリハビリ支援システム『バランス君』の改良 〜新規訓練ゲームの追加と既存訓練ゲームの改善〜 (優秀卒業研究賞)
- 教室環境可視化システムの設計と実装 (優秀卒業研究賞)
- 害獣駆除の時間を短縮するためのシステム開発
6.3 大学院での研究テーマ
大学卒業後の進路として、就職以外に大学院進学もあります。
以下は、下川研で大学院に進学した皆さんの大学院での研究テーマの一部です。
- 福岡大学公開NTPサービスへのトラフィックの調査・分析
- マルチクラウド環境を用いたコンテンツ配信基盤のプロトタイプシステムの開発
- ハイブリッドな授業形態で利用可能な演習支援システムの開発
- EDNS Client Subnet (ECS) に対応したリクエスト誘導システムの開発
- 認知症患者のためのLoRaWANを用いた徘徊対策システムの研究開発
- 家庭内無線LAN環境における不正端末の検知・遮断システムの開発
- 柔軟なクラウド選択及び多様なサービス展開が可能なメタクラウドシステムの開発
- 共同実習可能なルータ設定実習環境自動構築システムの開発
- 家庭内無線LANにおけるただ乗り対策システムの開発
- ネットワーク利用履歴を利用したネットワークスイッチ省電力化システムの開発
- 動的広域分散配置型サーバシステムにおけるサーバ配置位置選択システムの開発
- ON/OFF入力のみ可能なユーザを対象としたスマートフォン操作支援システムの開発(学術奨励賞・若手の会奨励賞)